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9) あかねの空 快特高砂

○ オートバイ上の俊介
オートバイにまたがった俊介。ヘルメットのバイザーは上がっている。
俊介「ホント、ありがとう。じゃあ、さよなら」
俊介、オートバイをスタートさせる。あかねがヘルメットを持った手を振る。
あかね「じゃあ、またね!」

○ オートバイ上の俊介
あかねが手を振る姿をバックミラーで見ながら走る俊介。
太陽がやや西に傾き始めている。

○ 桑沢家の茶の間
弘と、弘の長男桑沢守(22)がテレビを見ながら、コップでビールを飲んでいる。
玄関の扉が開く音。あかねの声がする。
あかね(声)「ただいま!」
あかねのはずんだ声に視線を動かす弘と守。
白い俊介のヘルメットとスイカを両脇にかかえたあかねが、縁側の廊下を通る。
守「おい、なんだ。きたねえヘルメット…」
あかね「えへへ。今日のお手伝い賃かな」
あかね、スイカを守に渡すと、そそくさと自分の部屋へ向かう。守が後ろ姿に怒鳴る。
守「使いものになんねーぞ、ソレ!」
守、台所の安子に向かって叫ぶ。
守「おふくろ!あかね、またなんか変なことやってんぞ!」

○ あかねの部屋の前の廊下
あかねが、部屋の入り口から顔だけ出して、守に叫び返す。
あかね「変なこと、やってないもーん!」

○ 桑沢家の茶の間
安子がビールのおつまみを持ってきて、ちゃぶ台に置く。
安子「守、ほっときなさい。あかねは今日ちゃんと仕事したんだから。あかねのことより、あんた、自分のことなんとかしなさい」
守「おふくろ、ホント気楽だよな。あかね、もうハタチになるんだぞ。一度どこか会社でOLでもさせた方がいいって。ガキのままじゃ、嫁いけないって」
安子「由季子さんが居るからって、高くくってたら、逃げられちゃうよ!」
弘、ちらっと守を見る。
弘「お前が心配することじゃない。それより、最近夜遅いが、遊び歩いてばかりで、仕事になんねえぞ」
守「ちぇっ、おふくろもおやじも、あかね贔屓だかんな」
守、ぐっとコップの中のビールを飲み干すと、つまみを口に放り込んで、自分の部屋へと退散する。
安子、守が部屋に戻るのを見送った後、瓶の中のビールを弘のコップにつぐ。

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