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33) あかねの空 快特高砂

○病室
俊介、佐和子と談笑している。ドアが開き、眉間にしわを寄せた亮太が入ってくる。
佐和子「どこいったの?…どうかした?」
俊介、にやっと笑う。
俊介「亮さんさ、アイツに言われたんだろ」
無言の亮太をベッド脇の椅子に座らせる、佐和子。
俊介「アイツさ、毎日、治らないからって言いにくんだよ」
佐和子、少しおどろいたように目を見張る。
俊介「でもさ、いいんだ。治るときは治るし治らないときもあるし・・と」
佐和子「…俊、あんた強くなったね」
俊介「まあね。死にたくても死ねないし…と」
佐和子、亮太にお茶を差し出す。亮太、うけとって、ゆっくりと飲む。
何かじっと考えながら、お茶を飲み干し、ぽつんと言う亮太。
亮太「俊介、お前、ホント、がんばったんだな。退院、できるらしいよ。奇跡に近いってさ」
佐和子、嬉しい驚きが顔に現れる。俊介、亮太と目が合い、にやっと笑う。
俊介「あのさ、亮さん」
亮太「なんだ?」
俊介「菜の花畑しらないかな」
佐和子「菜の花?」
俊介「三浦あたりの」
亮太「うーん、三浦だったら大楠山だな」
佐和子「だね」
俊介「大楠山か」
亮太「なんだ、菜の花見たいのか」
俊介「ん~、菜の花が一面に咲いてるところ、どこかあったかなと思ってさ」
佐和子「行ってみたいわけ?」
俊介「うん…」
亮太「だと、大楠山はむずかしいかな…」
俊介「そうなんだ…」
佐和子「そうだねぇ、ハイキングコースの尾根みたいなとこだから」
俊介「そっか…」
亮太「どこか探してくるよ、伊豆の方に行けば、あるだろうから」
俊介「いいよ。たいしたことじゃないから…」
佐和子「…?そう、なの?」
俊介、ベッドのリクライニングを倒し、横になる。
俊介「ごめん、少し疲れたから寝る」
亮太「おう。またくるよ」
佐和子「探しとく、菜の花畑」

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