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60) あかねの空 快特高砂

○ドア前
顔を上げる、あかね。
あかね「俊」
ムリに声色を変えて、明るくしゃべろうとする俊介。
俊介 「なんてな。ごめん。全部、なし。韓国ドラマっぽくひたってみたわけ」
あかね「みっともなくない!」
あかね、少し下を向くが、一気に話し出す。
あかね「私ね、思ったの。はじめて俊に会った時、又会えるって。変でしょ、変よね。でも、どこかでずっと、ずっと思ってた。そんなのあり得ないんだけどけど。忘れたつもりだったけど…」
あかね、振り返り、俊介をまっすぐに見る。俊介、あかねの視線にうながされるように顔をあげ、あかねを見つめ返す。
あかねがゆっくりと俊介に近づき、車いすの横で両膝をついて、俊の片腕に頭を凭せかける。俊介、おずおずと反対側の手をのばして、あかねの頭を軽く撫でる。目を閉じて、にっこりするあかね。

○海辺のホテル俊介の泊まっている部屋
海の見える窓。 夕ぐれの光が差し込み、部屋全体を照らしている。
どちらからともなく、ゆっくりと顔を近づけ、くちずける俊介とあかね。

○海辺のホテル ベッド
俊介とあかね、ダブルのベッドで、毛布にくるまって寝ている。
朝の光が差し込んでいる窓。
俊介、ゆっくりと目を開け、となりのあかねを見る。
俊介 「ゆ、め…じゃない、よ、な」
俊介、小声で「Yes!!」と叫ぶ。あかね、もぞもぞと動く。
俊介 「あ、か、ね」
あかねが俊介の横で、見上げるように目をあける
あかね「やっと、会えた…」
あかね、俊介の腕をとり、再び目を閉じるが、ひとつぶ涙がこぼれ落ちる。
俊介、空いている手を、あかねの手にそっとのせる。
俊介(声)「あかねは、不思議な子だ。お日様みたいにあったかくて、風のように自由で。はじめて出会ったあの緑一面の畑みたいに、どこまでも広くて、なんだか励まされて、元気になる。あかねは、自分の書いた、大根娘と水色ライダーのイラストを「女の執念」なんて笑いながら言うけれど、あの絵は、見た人をなごませていると、オレは思う」

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