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虹とスニーカーの頃 - 1/5

昨年5月に書いたものをリライトしました。5まで続きます。

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** 1

夏ももうじき終わりに近づいている。

僕はいつもの海沿いの国道を走る。のろのろと流れる車の脇を軽快に抜かしていく。車の連なりが少し途切れるとアクセルを大きく開く。

視線の先に古いオートバイが映る。そのオートバイとの距離を縮めていく。

「あれ?」「三浦さんか?」

右側からするするっと古いオートバイの横に並び、ライダーを見る。
古いオートバイのライダーもこちらを見る。

「やっぱり!」

僕は笑顔になり、左手をあげる。

三浦さんは「おっ」とした顔をし、ジェットヘルメットのシールドを上げ、僕に向かい

「おう!」

と声をかける。

僕は笑顔で応え、前方にある片瀬西浜のパーキング入り口を指さす。

** 2

三浦さんとは冬の箱根で出会った。
大観山の駐車場で茶色く細長い煙草を吸っていた。口ひげをたくわえ、目深に帽子を被り、冷たい空気の中に白い息を煙草の煙を吐き出していた。

それから春先に一度西湘国府津のパーキングで偶然出会い、今日ここでまた偶然に出会った。

「相変わらずフェックスが似合いますね」
「お前もそのオートバイが似合ってるよ」

「古いオートバイ。いいですよね」
「今どきのオートバイだっていいじゃねえか」

「じゃあ交換しましょう!」

期間は一週間。一週間の間、僕はZ400FXに乗る。

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