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虹とスニーカーの頃 - 4/5

** 7

   「疲れた~。ずいぶん日焼けしたね~」

「降ってきそうだな」

   「え?」

「雨…」
「降ってきそうだ」

水から上がってあたりを見渡すと入道雲が大きく発達し、上空を覆っていた。
雲がなかったらちょうど日没する夕日が綺麗な時間だ。
周囲を見回すと海水浴をしていた人たちはみんな上がり、人気はまばらになってしまっていた。

雨滴が頬に当たる。大粒の雨滴。
大粒の雨滴が次々と空から降ってくる。

「行こう」
「あっち」
「あそこ、屋根がある」

僕はトシコ先輩の手をひいて駆ける。
屋根のあるところまで移動した頃にはすっかり土砂降りの雨になってしまった。

「すぐにやむよ」
「ここで少し雨宿りしていよう」

** 8

小屋から大きく延びているひさしに雨滴が当たる。
雨が当たらない砂地に腰を下ろして雨に煙る海を眺める。

   「ねえ、今日は何で私を誘ったの?」
   「わかった。今日は違うオートバイだから、違う女の子が良かったんでしょ?」
   「私の彼氏に見つかったらキミは半殺しね。彼が怖いのはキミもよーくしっているでしょ?」
   「キミの彼女にみつかってもキミは半殺しね」
   「どっちにしてもキミは半殺しよ」

言葉を遮るようにキスで口をふさぐ。

   「ちょっと、まっ…だめ…」

さらにキスで口をふさいでしまう。

雨滴は小さくなり、だいぶ小降りになってきた。あたりはかなり暗くなっていた。

「日が沈むと寒いだろ」

トシコ先輩の後ろに回り、背中から両脚で挟むように抱き包む。
後ろから腕を回し、トシコ先輩の身体を抱き包む。

心臓の鼓動が早くなる。

あたりは真っ暗になって、波の音が穏やかに聞こえる。
トタン屋根にぶつかる雨滴の音はもうしなくなっていた。

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