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2-あかねの空 Archive

あかねの空を携帯電話で

あかねの空を携帯電話で読みやすくする用のエントリーです。
時々上にあげます。
携帯電話で読むときに、カテゴリーから4-あかねの空カテゴリ下のケータイを選び、
そこから読み進められるようにしたものですから、PCの方はこのエントリは気にしないで下さい。あ、でも、PCの場合でも、下のクリックで第1話行きます。はい。

あかねの空 快特高砂 ~ We’ve met once 10 years ago

登場人物一覧
http://kamome.org/archives/253

第1話
http://kamome.org/archives/254

携帯電話で読む場合、上記から追ってください。第1話~第64話まで。約65000文字。
京急利用での通勤、通学の方、特に是非どうぞ(笑)

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(小説・シナリオ・京浜急行)

64) あかねの空 快特高砂 ~ We’ve met once 10 years ago

○三崎口駅・二番線ホーム

○快速特急 高砂行
電車内。先頭車両左側。車椅子使用者の為に折りたたみの椅子が設置されているシート。窓側には1席通常のシート。尚たち、見送りの人々が連れてきた俊介を車椅子の後ろに回って、車内に載せるあかね。椅子が折りたたまれている、車椅子用のスペースに俊介の車椅子を移動させる。
あかね「俊の専用スペースだよ。いいでしょ」
後ろから入ってきた陽子が覗き込む。
陽子「あーホント。横にちゃんとあかねさんの席もあるじゃない」
あかね「そうなんだ。窓側は私の席!」
俊介、車椅子を動かして、位置を確認し、ふと最前列の席に目がいく。
俊介「へぇ、あんな席があるんだ」
あかね「あ、知らなかった?京急だからね」
尚「おまえ、今、あっちに座りたいって思ったろ、鉄オタ!」
俊介「わりぃかよ!」
あかね「え?俊って、鉄オタ?」
尚「あ、しらなかったの、あかねさん。コイツね、昔っから電車乗ると、一番前なのよ」
俊介「うっせーな。お前だって、一緒に乗ってただろ。京急沿線住んでたら、子供のときの夢は京急の運転手じゃんよ!」
あかね「へぇ、そっかぁ。でも、今日はこっちが俊の席だからねっ」
あかね、俊介のほほにキスをする。
俊介「わかってるよ」
初老の男女が、乗り込んできて、最前列のシートに並んで座る。あかね、俊介に顔を近づけてささやく。
あかね「ほら、あの席は、あの人達の席」
俊介、シートにほぼ隠れてしまっている乗客の後姿を見る。
俊介「そうだね」
笑顔の俊介。
車内アナウンスが入る。尚、陽子、他、見送りの人々、あわててホームに戻る。手を振るあかね。

○二番線ホーム
快速特急高砂行のドアが閉まる。
見送る人々。尚、陽子、良太、佐和子、ルイ、学、守、由季子、宏、安子、共同販売所のおばちゃん達、オートバイ仲間Heart of Goldの常連客等々。
2100形のVVVF(スリーブイエフ)インバータの音が流れる。ゆっくりと動き出す車両。

○三崎口駅周辺全景
青く澄み渡った空。三崎口駅から横須賀方面。俊介とあかねの乗った快速特急が、静かに動いていくのが見える。

○トンネル
快速特急の運転席。トンネルに入り、周囲が暗くなる。やがて出口が見え、
近づいてくる。光の中へと出て行く車両。ホワイトアウト。

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約一ヶ月間お読みいただきありがとうございました。

最初から読む方は
登場人物一覧
http://kamome.org/archives/253

第1話
http://kamome.org/archives/254

から読むことが出来ます。

63) あかねの空 快特高砂

○Heart of Gold 店内
学、一人でカウンターの中で、片づけ物をしている。
守が一人、店にはいってくる。
学「よう」
守「おう」
学、カウンターの上のものを少し除けて、スペースをつくる。
守、そのスペース前に座る。カウンターに目を落としたままの守。
学「どうした、よ」
守、ゆっくりと視線だけを学にむける。睨むような視線。学、チラッと視線を動かし、珈琲を淹れ始める。
学「飲むか?」
守、無言。学、手際よく準備を進めていく。コンロにケトルを載せ、深めに呼吸を二度する、学。
学「あかねちゃん…だろ」
守「ああ」
学「認めてやれよ」
静かだが、力のこもった学の声。
守、カウンターに載せて握りしめている手に力が入る。
学「お前だって由季さんと一緒になる時、いろいろあったじゃんよ」
学、ケトルをコンロからおろし、布フィルターの乗ったポットの上に静かにお湯をぐるりと注ぐ。
学「生活していけるかとか、いろいろあるけどよ。それでも一緒に居たいって思う相手だから、何があってもがんばるじゃんか」
学、淹れ終わった珈琲をマグカップにそそぎ、守に差し出す。
学「オレは、ずっと昔にそういう女に会って、手、放した人間だからさ」
守「お前、いつもそうだ…」
学「ああ、そういう風に生まれたんだろうな。見てるのが好きなんだ」
守「あいかわらず、うそつきだな」
学、守、静かに珈琲を飲む。

62) あかねの空 快特高砂

○桑沢家の前 (夕方)
待ちくたびれた尚と陽子、車の中で熟睡している。その横を弘が通り過ぎていく。

○桑沢家の玄関
玄関を開けて、家にはいる弘。片手にスイカを提げている。

○桑沢家の茶の間
俊介、守に殴られた顔を手当てし、あかねに氷嚢で冷やしてもらっている。
安子と由季子、食事の支度を調えているが、お互いの夫の行方を案じて、顔を見合わせ、ため息をつく。そこに弘が現れる。弘、俊介の顔を見て驚く。

○桑沢家の茶の間
弘、安子が並んで、俊介とあかねの前に座っている。横に由季子と、尚、陽子の二人。弘、短いため息をつく。弘の持って帰ってきたスイカが切られて、皿に盛ってある。
弘「まったく、守は、なにをやってるんだ」
由季子「すみません、本当に…」
俊介「いや、あのたいしたことないですから。車いすからも落ちなかったし」
あかね「そういうことじゃないでしょ!まったく兄ちゃんったら…」
ちょっと間をとって、弘が俊介に話し出す。
弘「俊介さんでしたね。畑に行って色々考えました。野菜も、動物にかじられたり、ぶつかってひんまがったりしながら育つのがあるんです。売り物にはなりませんが、おいしさは一緒です。あかねもそういうこと、分かってる子です。あかねを信じてやります。あんたが育つのをあきらめん限り、あかねは幸せだろうと思いますから」
にっこりとする安子。
あかね「おとうさん、やっぱりおとうさんだね」
由季子「よかった…。私、ちょっと、探してきます」
由季子、エプロンをはずしながら、部屋を出て行く。

61) あかねの空 快特高砂

○嶋原家の玄関
あかね(声)「その後、しばらくして俊の家に挨拶しに行きました。」
あかねが、玄関の戸を開けて入ってくる。ドタバタとあわてて、出迎える優子、俊也。俊介の車いすを押してきた政也は、ニヤニヤしながら俊介をこづいている。
○嶋原家の茶の間
あかね(声)「俊の家族は、私は仕事仲間だと聞かされていたようで、俊が結婚の話をすると驚いて、心配やら恐縮やらされて、ご両親にはお説教をされました」
茶の間のテーブルで、優子と俊也の前に並んで座る俊介とあかね。深々と頭をさげる優子と俊也。嬉しい反面、困っている優子と俊也。横から、政也と勇作が俊介をからかったり、あかねにちょっかいを出したりしている。

○嶋原家の茶の間
俊也と優子が並んですわっている。テーブルを挟んで座る俊介とあかね。
俊也「俊介にとっては、大変ありがたい話です。しかし、あかねさんのご両親は賛成なさらんでしょう」
優子「俊介、一生あかねさんを大切に守っていく自信があるの?いままでみたいに、なげやりにしたり、いいかげんにフラフラしてたら、暮らせないのよ。家を持つってのは、そういうことなんだから。あかねさんも。俊と暮らすのは、簡単なことではないんですよ。一人ではできないことばかりだし。あなたまで不自由に付き合わされるの。それでも、本当にいいの?二人とも、あかねさんのご両親のこともちゃんと考えなさい。大切に育ててきた娘が、わざわざ苦労すると分かっているところに嫁ぐのを、喜ぶ親なんていないんだからね」

○桑沢家の玄関
俊介、尚と陽子に付き添われて、玄関前までやってくる。あかね、玄関から出てくると、俊介の車いすを押して、家に入る。心配そうに見送り、路上に留めた尚の車の中に入って待つ、尚と陽子。
あかね(声)「俊のご両親の話は、ずっしりと重かったです。心を引き締めました。 実際その後が、さらに大変でした。」

○桑沢家の茶の間
守、由季子、弘、安子、家族全員が揃っている。歓迎ムード。お茶とお菓子で
俊介とあかねも、楽しく会話が弾む。

○桑沢家の茶の間
暗い表情で口を結び、腕組みしたままの弘、困惑している安子。弘、立ち上がると部屋を出て行く。呼び止めようとする由季子を守が力づくで留める。不服そうな由季子。車いすの俊介、やや下を向いているが、きっと口を結んでいる。
守、やおら片膝をたてて、握り拳を俊介に向かって突き出す。

あかね(声)「ウチの家族は大反対。由季子さんだけは味方でしたが、兄ちゃんは、挨拶にきた俊をなぐっちゃうし…。でも、そのおかげでうちの両親は赦してくれたようなものなので」

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