Home > Archives > 2008-08-20

2008-08-20

虹とスニーカーの頃 - 3/5

** 5

いつも履いているブーツに足を入れ、少し考えてから脱ぐ。
AVIAのスニーカーに履き替えて靴紐をしっかり締め直す。

ヘルメットのシールドを下げ、クラッチをつなぎオートバイをスタートさせる。

武田薬品前を普段の半分以下のスピードで走り、弥勒寺から裏道、裏道へと走る。

 ♪ 

うん、楽しい。
真夏の時よりほんの少し弱くなった陽射しを浴びて走る。
南藤沢で片瀬県道に出てまた路地に入り柳小路の駅へ。

「待った?」

   「青いオートバイではなかったの?」

「友達と交換しているんだ。一週間だけね」

   「バイクとかオートバイと言うより単車という感じで素敵ね」

「僕に似合うかな?」

   「どうかしら。走ってみないとわからないわ」

「行こう。乗って」

** 6

慎重にオートバイを操作して、海沿いの国道へと南下する。
国道に出たら右折して鵠沼の海水浴場へ目指す。

信号で止まったときにトシコ先輩が言った。

   「似合ってるわ」
   「高い身長にとっても似合ってる」
   「背中から見ているととっても素敵」

僕は笑顔で応える。

真夏の間は大混雑だった海沿いの国道も、夏の終わりを迎え、平日にはずいぶんと空くようになった。鵠沼海岸までは数分で着いた。

「水着は?」

   「着ちゃってるから、上を脱いだらすぐに泳げるわ」

「僕も同じ。すぐに海に飛び込める」

晩夏の陽射しを身体全身に受けて、海で泳ぎ、トシコ先輩と水で遊ぶ。
湘南の生まれ育ちのトシコ先輩は、僕と変わらないほどに泳げる。
急に海面からいなくなったかと思うと、水の中から僕の足を引っ張る。
水面から顔を出すと大笑いしている。
僕も水の中にもぐってトシコ先輩を水中に引っ張り込む。

Home > Archives > 2008-08-20

Search
Feeds
Meta

Return to page top