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2008-08-22

虹とスニーカーの頃 - 5/5

** 9

首筋にキスをする。胸の膨らみを掌で被い指先でまさぐる。

緊張しているのを悟られないように静かに深呼吸をする。
さっきキスで口をふさいだじゃないか。首筋に這わせているキスをトシコ先輩のくちびるへと移動させればいいだけじゃないか。
頭の中で考えれば考えるほど心臓の鼓動は早くなってゆく。

「あまりに先輩がかわいくて…」

そう言って思い切って首筋から、くちびるにキスの場所を変えてしまった。
トシコ先輩は後ろを振り返る形になり、僕はトシコ先輩の頭を後ろから包み、舌を絡めてキスをした。

頭を包んでいた腕は背中へと降りる。背中をまさぐりビキニの紐に指が掛かる。
後ろからビキニの紐をほどくと、胸と抱えた膝の間にビキニが挟まる。
日焼けしてうっすら白く浮かび上がる紐のラインを指先でなぞる。
ラインをなぞり、さっきのように胸の膨らみを掌で被せる。今度は直に掌で被い、直に指先で突起をまさぐる。

「……」
    「ん……」

「ごめん…」
「送るよ」

**10

トシコ先輩を乗せてオートバイを発進させる。
国道を茅ヶ崎へ向けて走り出し、浜須賀を右折する。

後ろから脇腹を抓られる。振り返るとトシコ先輩の声が聞こえた。

   「キミは意気地なしさんなのね」

外れてはいなかった。勇気がなかった。
もしも、もっと早くに雨が降り出して…、そして、もっと早くに雨が止んだら…、海に虹が架かっただろうか。虹は架からなくても雲の切れ間から天使の梯子が降りてきたことだろう。

暗闇の海に波の音が広がる。暗闇が僕から勇気を奪う。

   「半殺しにされるのが怖いかったの?」

「ごめん…」

海を背に、僕は大きくアクセル開けてオートバイを加速させた。

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