KAMOME.ORG “Shige-san’s Collection”
虹とスニーカーの頃 - 1/5
昨年5月に書いたものをリライトしました。5まで続きます。
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** 1
夏ももうじき終わりに近づいている。
僕はいつもの海沿いの国道を走る。のろのろと流れる車の脇を軽快に抜かしていく。車の連なりが少し途切れるとアクセルを大きく開く。
視線の先に古いオートバイが映る。そのオートバイとの距離を縮めていく。
「あれ?」「三浦さんか?」
右側からするするっと古いオートバイの横に並び、ライダーを見る。
古いオートバイのライダーもこちらを見る。
「やっぱり!」
僕は笑顔になり、左手をあげる。
三浦さんは「おっ」とした顔をし、ジェットヘルメットのシールドを上げ、僕に向かい
「おう!」
と声をかける。
僕は笑顔で応え、前方にある片瀬西浜のパーキング入り口を指さす。
** 2
三浦さんとは冬の箱根で出会った。
大観山の駐車場で茶色く細長い煙草を吸っていた。口ひげをたくわえ、目深に帽子を被り、冷たい空気の中に白い息を煙草の煙を吐き出していた。
それから春先に一度西湘国府津のパーキングで偶然出会い、今日ここでまた偶然に出会った。
「相変わらずフェックスが似合いますね」
「お前もそのオートバイが似合ってるよ」
「古いオートバイ。いいですよね」
「今どきのオートバイだっていいじゃねえか」
「じゃあ交換しましょう!」
期間は一週間。一週間の間、僕はZ400FXに乗る。
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夢の中で。
- 2008-08-08 (金)
- 3-読み物
「乗ってきていいよ」
「ほら、キー」
富田さんはそう言って鍵を渡す。
「思いっきり回して乗ってきていいから」
「しばらくぶち回してないだろ?」
そう付け加えると富田さんは仕事場へ戻っていった。
**
「さて。どうしたものか」
もう長いこと乗ってない。
富田さんのオートバイはGSX-R。今日日のオートバイじゃ回しきれないだろうから、これくらいがちょうどいいか。なにしろもう何年も乗ってないのだから。
「どうせ夢の中の話だろ?」
明け方の浅い眠りの僕は半分覚醒し、これが夢の中の話だとわかっている。
でも、夢なら夢でスカッとしたい。
ニュートラルランプを確認。そうだ、昔、ニュートラルランプが点いているからと言ってセルを回したら、ギヤが入っていて、セルの力で押し出されたGSX-Rはいとも簡単に倒れていったっけ。
右中指で軽くフロントブレーキを握り、左手ではクラッチを握る。
セルを回すと簡単にエンジンは目覚める。
ヨシムラサイクロンから心地の良い音色が聞こえる。
何度か借りて乗ったことはある。自分のオートバイと交換して乗ったり、厨房の安本さんが指をざっくり切ったときは、病院まで運んでいった。苦情対応に行くのに借りて乗ったこともあった。
だけどぶち回して乗ったことはない。
GSX-Rに跨り、サイドスタンドを蹴り上げ、クラッチを握り1速に落とす。
3000rpmから動き始めるタコメーターの針が跳ね上がりクラッチミート。
最大トルク域から最高出力域を使って加速。
そうだ。その感覚だ。
出来ればもっと走りたい。でも覚醒はどんどん強くなる。外も明るくなってきている様子。そろそろ起きる時間だろう…。
携帯電話から曲が流れる。毎朝同じ時間に流れる目覚まし。
「ちっ」
予想通りのタイミングで起こされたな。あり得ないぜ。
ベッドの中で今見ていた夢を反芻する。
走り出せと言うことなのかな。アクセル全開で。
エンジンや車体は手に入る。あとは乗り手である自分自身次第という訳か。
さて、走り出すための準備をしますか。
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帽子の男:第2話 予告編01 author:松戸
カーナシ 「行方不明!?」
◇
チャゲ 「死んでしまうことよりも・・・辛いことがある」
チャゲの言葉にはっとして顔を上げるアキオ。
◇
カーナシ 「探し出してなんて言うんだ?オマエ、相手の気持ち考えたことあるのか!」
◇
山本 「俺ら一期一会のバイク乗り・・・ってワケよ(ニヤリ)」
◇
チャゲ 「現実を受け入れたところから、新しい人生を始める・・・」
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帽子の男:第2話 -4 author:松戸
※このシナリオはフィクションであり、実在の人物、団体などとは一切関係ありません。
○07山下公園・海岸側
カーナシ「はぁ?!(大声)」
これでもかというほどの、カーナシのドアップ映り-
カーナシ「行方不明!?(大声)」
M姐「アキオの彼女って入院してたらしいんだけど・・・アキオを連帯保証人にして闇金融から借金して行方不明なんだって・・・」
カーナシ「むちゃくちゃだなぁ、それ。・・・アキオはその子に恨まれるようなことしたのかな?」
M姐「どうだかね・・・」
ふと、電動車椅子を止めるチャゲ。
チャゲ「俺に何を相談しようとしたんだろうな・・・」
カーナシ「まさか・・・カネの工面?初対面で?」
M姐「鮎川はそのつもりだったのかも・・・」
チャゲ「・・・その彼女の、入院の原因って何なんだろな・・・」
M姐「さあ・・・」
思慮深げなチャゲの横顔。
○08中華街・公園近くの路地
アキオの乗る黄色いドカが、東屋のある公園の路地に入ってくる。
バイクを停めてヘルメットを脱ぐアキオ。東屋を見るが、誰も・・・いない。
重い足取りで、東屋に向かう。
誰もいない東屋の長椅子に、ひとりポツンと座るアキオ。
アキオ「・・・・」
そこへ、コンビニ袋に缶ビールを満載したGベストの男が通りかかる。
Gベストの男「おろ?アキオじゃねーか?」
Gベストの男に気づくアキオ。
アキオ「あ・・・斎藤さん・・・」
Gベストの男「よぉ!久しぶりだなー。元気ねーじゃんか」
アキオ「いえ・・・」
Gベストの男「チャゲに会いに来たのか?」
アキオ「まあ・・・そんなとこです・・・」
Gベストの男「チャゲなら、今カーナシ達と山下公園を散歩してるぞー。一緒に行くか?」
ふと通りを見たアキオ、何かに気づいて顔色が変わる。
アキオ「斎藤さん、また後で・・・」
急に立ち上がり、ヘルメットをかぶるとすぐにドカを発進させるアキオ。
Gベストの男「おおー?なんだよ、アキオぉー?」
Gベストの男が通りを見ると、アキオのドカを追いかけるように、黒塗りのハマーが急加速して行った。
Gベストの男「おお???」
scene 07-08:END
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コメディ・東屋でござる(仮題)
横浜中華街 小さな公園にある東屋
中華街の喧騒の中、東屋では怪しい風体の連中が集まっている。
中年を過ぎた年齢の者、まだ二十歳を超えたばかりくらいの若者。
男ばかりではなく、女もいる。子連れのファミリーもいる。
サラリーマン風の者。アウトローのような風体をした者。車椅子の者までいる。
どの様な集まりかはまるでわからない。
それらの連中が思い思いにウイスキーのグラスを傾けたり、
つまみに手を伸ばしたりして談笑している。
**
遠くからオートバイの排気音が聞こえる。
喧騒溢れる中華街の路地にも拘わらず東屋まで聞こえると言うことは、
かなり大きな音を立てて走ってきたようだ。
「誰か来たかな?」
「カワサキの単車の音だな」
「山本じゃねーの?」
「山本は先週トンネルにへばりついてあちこち骨折して入院しているはずだぞ」
「まさか来るはずないよね」
「ねえ、チャゲさん?」
皆が車椅子のチャゲの方を見る。
「この音はZRXだな。その”まさか”。きっと山本だろうな。
おっはよー!と言いながら入ってくるんじゃないかな」
と、チャゲが言う。
それからすぐにタイヤを鳴らしてZRXが止まる。
長身のライダーはバイクから降りるとヘルメットのシールドを上げ、
「おっはよー!!」
と言いながらこちらに向かって歩き出した。
「あははははははは」
東屋にいた一同が大笑いする。
「山本ぉー。お前、トンネルとお友達になって入院してたんじゃねーのかよ?」
「今日はゴリラのような男の看護師が担当だったから逃げてきたんだよ」
「しょうもねーなー。ギプスで固めたままオートバイで高速使って200キロも走ってくるヤツなんてそういないぞ」
「今日は泊まっていくんだろ?
傷の早い回復には一杯飲むのが血行が良くなっていいぞ」
「ジンジン、ドックンドックンと気持ちよくなるぜ」
「せいぜい悶えてくれよ」
「オートバイは誰かに回させればいいな」
「アキオ。あとでホテルまで回してやってくれ」
**
中華街の路地に行き交う人々を見ながら缶ビールを飲んでいたカーナシがジッと一点を見つめている。
それに気付いたものが一人、また一人と一点をジッと見つめては火花を飛ばしている。
「オイオイ、何をみんなでガン飛ばしてるんだよ」
そう言いながら車椅子の向きを変え、皆が見ている先に視線を移すチャゲ。
「大人気ないな」
ぼそっとつぶやく。
どうやらガンを飛ばしていた相手は二人の警官のようだ。
その警官は東屋に向かって歩いてくると周囲を見回し、
「みんなお酒を飲んでいるようだけど、バイク乗りっぽい人もいるね」
「まさか飲んで運転して帰ることはないよね?」
「もっちろーん」とビールを煽りながら山本が言う。
「ちょっとここの会の責任者は誰かな?話を聞かせてもらいたいんだけど」
と警官。
「責任者は俺だけど、何を聞きたいの?」
と、車椅子のチャゲが言う。
「キミ?」
「本当にキミ?」
警官は車椅子のチャゲの姿を眺めては素っ頓狂な顔をしている。
「その素っ頓狂というか、鳩が豆鉄砲食らったような顔はなに?」
「車椅子のヤツが責任者だったらおかしいかい?」
サングラスを外して警官を睨み付けるチャゲ。
「私も共催している責任者の一人ですが」
「申し遅れました、私、ミナトテレビ報道局のこういう者です」
と、ジャックが首から提げたIDカードを警官に見せながら言う。
その姿を見ていた周囲の連中から
「ジャックさん、さっきまでIDカードぶら下げてませんでしたよね」
の声が聞こえる。
「あー、日本通信社の和倉と申しますが、
すいません。どうしたんですか。事件ですか?」
見るからに報道カメラマンの風体をした和倉が立っている。
腕には日本通信社の腕章をし、
大きく長いレンズを付けた一眼レスカメラを二台ぶら下げて、
手には手帳とボールペンを持っている。
「和倉さん、さっきまで子煩悩なパパの顔をして娘さんと遊んでませんでしたか?」
「それよりもいつ着替えたんだろ」
笑い声混じりにそんな声が聞こえる。
「君達も仲間なのか?」
「それよりもこの車椅子の彼が本当に責任者なの?」
と、警官が言う。
「だからさっきから責任者は俺だと言ってるでしょ」
チャゲが段々イライラしてくる。
和倉は警官に畳みかけるようにと次々と言葉を投げかける。
「それで、どのような事件なんですか?」
「報道の自由を奪うんですか?」
「国民の知る権利も奪うんですか?」
「あなた方には事件のあらましを説明する義務がある!」
「ねーよ」
そんな声が周囲から聞こえて、クスクスとした笑い声がする。
「ここじゃなんだから、すぐそこに薩摩町署があるからちょっとご足労願えないかな」
「ちょっと待った」
2mほど離れて座っていたM姐が言う。
「お巡りさん、警察官職務執行法の第2条言ってみて」
「え?第2条は…第1項が…えーっと…」
警察官が条文を言い始めるよりも前にM姐が言い出す。
「第二条 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる」
「それでは、この場合、犯罪を犯してますか?またはこれから犯罪を犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由を説明して下さい」
警官が口を挟むよりも前にM姐が続ける。
「第二条の2項では その場で前項の質問をすることが本人に対して不利であり、又は交通の妨害になると認められる場合においては、質問するため、その者に附近の警察署、派出所又は駐在所に同行することを求めることができる」
「そうありますが、この場合、どこが本人に対して不利であり、公園という場に於いて交通の妨害になり得る理由を説明して下さい」
さらに警官が口を挟むよりも前にM姐が続けようとする。
「第3項では…」
と、言い出した頃に後ろから歌が聞こえてきた。
鳴り渡る 自由の鐘に♪
盛り上がる 平和の力♪
警官が歌を歌っている男の姿を見た。
男はなおも歌を続ける。
明るくも 正しく 強く♪
挙りたつ 我ら4万♪
その名こそ おお おお……♪
「他所のことに首を突っ込むことはしないが、
法を犯すことはしないと約束できるので、
ここは一つ………な?」
男の言葉で警官は引いた。
「くれぐれも飲酒運転はしないようにして下さい」
そんな言葉を残して二人の警官は中華街の雑踏に消えていった。
「ところでM姐さん。なんでそんな条文を暗記しているんですか?」
カーナシが聞く。
ニヤニヤと笑ってるだけで答えないM姐。
「チャゲさん、教えて下さいよ」
チャゲに振るカーナシ。
「昔、レディースだったんだよ。鉄パイプ持って、車高短に箱乗りしてたって聞いたぜ
現役時代に警官とやり合うには理屈も必要なんだろ」
「チャゲこらー!!」
「ちょ…まて…それ障害者虐待だって」
「都合の悪いときだけ障害者ぶるなー!」
「あははははははは」
東屋に笑い声が響く。
「ところで内田さん。さっき…」
チャゲがさっき歌を歌っていた男=内田を見ながら問いかける。
「さっきの歌はなんの歌なんですか?」
「ん?さっきの?ああ、あれ、警視庁の歌なんだ」
「神奈川県警の歌を知らなかったので警視庁の歌を歌ってみたの」
「そんなところだとは思ったけど、警視庁の歌なのか」
「しかし、内田さんIT業界なのに同業の振りしているんだもん
笑いを堪えるのが大変だったよ」
「警官だなんて一言も言ってないでしょ」
「ただ警視庁の歌を歌って、法は犯しませんから、一つ…。
と、言っただけじゃんね」
「タヌキとキツネばっかだな」
「さて、飲み直そうか」
「乾杯。おつかれー」
夏の東屋の夜は更けていった。
※この話は登場人物が誰かに微妙に似た人がいちゃったり、松戸の帽子の男に出てくる人物に似ている人がいちゃったりなんかしますが、ただのパクリですから気にしないで下さい。はい。(^_^; あと、もちろん、100%フィクションDea~~th。
最後に、スピード感大事にしたかったら書いているうちに警官を畳みかける形の文章になっちゃったけど、本職の人みてたらコメディと言うことで笑って許して下さい。(^.^)ご(-.-)め(__)ん(-。-)ね(^.^)
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