12/31 西へ 2

2008-12-26 (金)

バイクマンKでDT200Rをみてもらう。
一通り診てもらったその結果は特に悪いところはないというものだった。

「これ以上の原因究明するなら預からないとならなくなって、伊勢神宮には行けないよ?どうする?」

そんな言葉に僕はバイクを受け取る。

「ここまで来たのだからもちろん行きます」
「ありがとうございました」

礼をいい、DT200Rに跨りエンジンスタート。まだ午後の早い時間。もう一度健康ランドのハッピーへ向かう。

「ここからだいたい…200kmほどですね」

地図を広げ、名古屋、四日市まわりの道程を、指先で30…60…90…120…150…180km…と測っていく。

「うん。200kmちょっとくらい」

「仮眠して18時過ぎに出ましょう」

「やっぱ道路は混むのかな」

「江ノ島あたりの感覚で混まれちゃったら嫌ですね」

仮眠をとって起きると身体が痛い。あれだけキック続けて、あれだけ押したのだから。
だけど行くしかない。行くと決めたら行く。
今年の残りはあと6時間。明朝には必ずお伊勢さんへ行くのだ。

「よし、行こう!」

キック、キック、キック。よーし、行こう。

エンジンがかかっている状態からDT200Rを押す。一歩二歩三歩…足を使いDT200Rを押して走り、時速10kmくらいまで加速させる。そこからアクセルを開かないようにして、ゆっくりゆっくりスピードを載せていく。
信号のタイミングを読み、なるべく停止させないように走る。
とは言え、浜松の市街地。そうもいかない。加速を余儀なくされるとすぐに失火する。
そのたびにキック、キック、キック、キック。

普段なら一発でかかるのに…。
キックしなくても、一歩踏み出してクラッチ繋いでやれば、すぐにエンジンかかるのに。
キック、キック、キック、キック。

そんな繰り返しをしながら浜松の市街地を抜ける。

ルート1。車の赤いテールランプ。対向車のヘッドライト。街灯。
そして遠くから近づく信号の光。
「青」このタイミングではあの信号を通り抜けるときは赤になる。
路側帯の左ギリギリを速度を落として走る。

「赤」
「交差する側の歩行者信号点滅」

アクセルを握る手をほんの少し。ほんの少しだけ力を込めて、ほんの少しだけアクセルを開く。

30km/hじわじわじわ。35km/hじわじわじわ。
信号通過。じわじわじわ。40km/hじわじわじわ。
45km/hじわじわじわ。もっと速度を上げたい。でも慎重に。慎重にアクセルを開ける。
ほんの少しずつ。60km/hじわじわじわじわじわじわ。

ただただ、そんな繰り返しをしながら、名古屋○○キロという看板を頼りに走る。
名古屋の看板から四日市の看板に。四日市…、四日市。

橋を渡る。看板を確認。

「木曽川!」

脳内のいい加減な地図を思い出して考える。

「よし、名古屋の市街は抜けたぞ」

距離計を確認して浜松からの距離を見る。110km 時間は24時少し前。
Av.25km/hくらいか。ここからの距離は多分100km弱。これなら充分間に合う。
問題はこの先の混み具合だ。

昨日とは打って変わって暖かい夜。6ー7度くらいまでにしか下がってない感覚。昨晩の氷点下に比べればすごく楽。

缶コーヒーで暖をとりながら友人に言う。

「お伊勢さんに嫌われちゃったんですかね」

「これだけ走るようになったんだから嫌われきってはないだろ」

「ですね」

「よし、行こう!」

(続く)

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