1/1 西へ 3

2008-12-29 (月)

ルート23を南下する。ずっと一本道。
渋滞が激しくなってくる。路肩にもバイクが連なってくる。
加減速したくない。アクセル開度は変えずに、クラッチワークとブレーキワークとで誤魔化して走る。

「止まらないで、止まらないで、お願い止まらないで」

「速度落とさないで。お願?い」

路肩にはバイクが詰まっている。対向車はいない。
対向車線から一気に詰まっているバイクをパスする。
止まらない、止まれない。走れ、走れ。

しかし、止まらざるを得ない状況は次から次へとやってくる。
減速。そこからの再加速が難しい。じわじわじわじわと加速させないとならない。エンジンを失火させないように。失火させたら時間が大きくロスしてしまう。
失火したらキック、キック、キック。

**

津。
鈴鹿を過ぎ、津に向かうあたりからの記憶がない。脳裏に浮かぶのは光の渦。
黄色みの光、赤味の光。浮かび上がる道路標識の看板。

伊勢への初詣の話はこれでおしまい。

この先、記憶の断片にあるのは。
伊勢でのテキ屋で買ったお好み焼き。伊勢湾フェリーのエンジン音。
渥美半島で遠州灘を眺め、春と見間違うばかりの暖かく、柔らかな陽射しを浴びて浜に倒れ込んだ事。三回目の健康ランドハッピーに行った事。
家に帰り着いて玄関先で赤福を抱えて倒れた事。それが3日だった事。

2日はどこで何をやっていたんだろうとか、どこを通って帰ったんだろうとか、謎は残るけど、僕にとってはあまりにも馬鹿馬鹿しくて、あまりにも可笑しい記憶。

伊勢湾フェリーの中で撮った何枚かの写真の中に写っている僕。
みんな疲れ果てて死にそうな顔をしている。でも、無事に帰れたわけだし。20年以上過ぎても尚ネタに出来るんだから上等ですな。

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