2007-05-31 (木)
電話が鳴る
「もしもし…」
電話の向こうからは消え入るような声
「ん?和美か?」
「どうした?」
「今からうちに来られない?」
窓の外は遠くで雷が鳴り、今にも雨が降りそうだ。
「行けるけど、今すぐ?」
「きゃっ! 今すぐに。お願い!」
「もしかして雷が怖いのか?
「……うん…」
「じゃあ、10分…んー、5分待ってて」
「すぐに行くから」
雨の中、僕は和美の家に駆ける。
走れば5分はかからない距離だ。
「和美、来たぞ」
「まったく弱虫だなぁ」
雷はどんどん近づいてくる。
青い光がはっきりとしてきて、光った少し後には雷鳴が鳴る。
「まだ遠くだよ」
僕は部屋の灯りを消す。
「何するの?」
和美は消え入りそうな声で言った。
肩を抱いて窓際に連れて行く。
「眺めると綺麗なんだよ」
部屋の灯りをすべて消して窓際で寄り添う。
怖がらないように身体を包み、頬をぴったりと付ける。
ピカッ。バリバリバリバリ!
「いやっ!」
「だいじょうぶだから」
低い雲から放たれる青い稲妻に二人の影が重なる。
「和美…。」
「目蓋を閉じて…」
二人ははじめてキスをした…。
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じゅんこのリクエストで雷に関するもの。今は文章書きのリハビリ中なので、さくっとすらすら書くことを目標に。こういう超ショートが10分くらいでコンスタントに書けるようになったら、プロット練って徐々に長くしていきたいと思います。