2008-05-23 (金)
5/23 はキスの日。今の季節と、文章の季節が合わないけど…。
***
暦の上でのみ春のまだ寒い冬の日。
平屋建てのコンビニエンスストアの裏でかおり先輩に逢う。
23時で閉店したコンビニの裏、暗がりでひっそりとかおり先輩との時間を過ごす。
「かおり先輩…。もうすぐ卒業しちゃうんですね」
かおり先輩の髪を撫でる。額から髪をかき上げて髪を撫でる。
髪を撫でていた指先は耳へと移動する。耳たぶに触れると、そこへ口を近づけ暖かい吐息を吹きかける。
「さみしくなっちゃいます」
耳元で囁く。
左手の指先はかおり先輩のくちびるを撫でる。
「ふぅ…」
かおり先輩から吐息が洩れる。
くちびるから離れた左手はセーター越しにふっくらとした胸へと移動する。
やわらかいセーター越しに、もっとやわらかい胸のふくらみを撫でる。
「はぁ…」
僕からため息がこぼれる。
(意気地なし)
もう一度左手の指先がかおり先輩のくちびるを捉えて撫でる。
(今、指先で触れている…ここに…くちびるに自分のくちびるを重ねればいいのに…)
左手の指先はかおり先輩の耳たぶへと移動する。
耳元に自分の口を近づけて暖かい吐息を吹きかける。
「さみしくなっちゃいます」
耳元で囁く。
(意気地なし)
――好きだと言えずに。