2007-08-08 (水)
「やあ。久しぶり!」
「元気だった?」
西麻布の交差点で久しぶりにバイク仲間であるマナブとユミコと出会った。
三人が三人、待ち合わせをしたわけではなく偶然の再会だった。
「どこかにご飯食べに行こうか」
「適当に歩けばお店あるでしょ」
日が落ちても明るい西麻布の交差点から一本路地へと入る。
路地を一本入っただけで首都高速の喧騒が消える。
路地を少し歩くとその先には大きなネコがこっちを見ている。
ネコのいる方に歩き、だいぶ近づくとネコは先に進む。そしてネコは振り返る。
「付いて行ってみようか?」
ネコのいる方へ歩いていくとネコは路地の角で振り返る。
「迷子になっちゃいそうね」とユミコが言う。
「大丈夫だよ。どっかしら広いところへ出るだろ」
路地を曲がるたびに街は暗くなっていく。
「東京でもこんな街並みがあるんだね」
「そういや、なんか懐かしい街並みだね」
何度も角を曲がったけど、きっと広尾の方に向かっているはずだ。
それなのに古い下町風情の街並みばかりになっている。
ネコはまたも路地のところで振り返る。
ネコを追って路地を曲がる。
車も入れない広さの細い路地の左右に、古いアパートや長屋が裸電球の街灯に照らされている。
僕たちは一体どこに迷い込んでしまったんだろう。
気付くと大きなネコの姿はなくなっていた。
どこからか
「こっちを見てごらんよ」
そう聞こえた先を見て僕たちは息を呑んだ。
視界にはビルなどのない広い空間が広がり、眼下にはところどころにあるだけ灯り。
丘の上、足許は崖になっている。
「一体ここはどこなんだ…」
一歩後ずさりして振り返ると一軒の店の灯り。
ホッとして店に入る。
??
店に入るとおかしいところは何もない、カントリー調の洒落た店。
「なんだったんだろうね」
「ま、いっかぁ」
「久しぶりの再会にかんぱ?い」
??
夢から覚めた。