鼻腔をくすぐる
2009-11-28 (土)
ふと耳にした尾崎豊の卒業。
イントロが流れ「校舎の影 芝生の上…♪」と曲が進行していく。
そのときふっとかすかなニオイが鼻腔をくすぐる。
良い匂いとは言えない、かといって悪い臭いでもない、
どこか懐かしいニオイ。
そうだ。森田さんのサニーの室内のニオイだ。
バイトが終わり、これからドライブに行こうか?と森田さんが言う。
いいですよ。と僕。
森田さんのサニーの助手席に乗り、深夜のR134に出る。
外は雨。前を走る車の赤いテールランプが雨で滲む。
ワイパーが左右へと動き、雨滴を払ってゆく。
雨滴を払った瞬間だけ赤いテールランプがクリアになり
そしてまたすぐに赤いテールランプは滲んでいく。
どこに行こうとは決まってなかったけど、箱根方面に行こうとなり、
R134から西湘BPに入る。
ちょうどそのときに、車のラジカセから聴こえてきた曲。
歌詞のように格好つけて生きていたわけではないけど、
初めて聴いたその曲に心奪われた。
あのときに鼻腔が感じていたニオイ。
サニーの室内のニオイ。そして窓を少し空けて車内へと流れ込んでくる
雨と海からの潮の匂い。